夢の声
まだそんなことをしてるんだ。
少しは成長してるかと思った。
「・・・誰?」
夢が覚め、いつもと同じ朝が来た。
さっきの声は誰だったんだろう?
確かに聞こえた声。
まあ、いいや。
さて、今日も学校へ向かおう。
あのやけに分厚い壁のある教室へ・・・
「おはよ〜!」
「おはよ!」
挨拶合戦が始まった。
この挨拶合戦は毎朝行われる。
多分、挨拶の量が多いほど
優越感と安心感に変わるのだろう。
「自分には友達がいっぱいいる」って
そんな事を思ってるなんて
周りに気付かれないように
今日もその競技に参加させてもらった。
しかし、そんな
挨拶合戦に参加しない人が
約一名。
「いつまでも朝がこないのか?」
そんなことではない。
いわゆる・・・・・あれだ。
今、ニュースで
毎日の様にとりあげられている
あれだ。
誰も彼女に近づこうとする人はいない。
嫌われた理由?
そんなものとっくに忘れた。
皆も
先生も
見てみぬふりが上手くなったもんだ。
まあ
私も
その中に入ってるんだけど....
帰り道
ふう。
今日も終わったあ。
・・・・・と思ったら
最悪な事に
教室にノートを忘れて来た。
途中まで
歩いてしまった道を引き返す。
薄暗く、少しひんやりした廊下を
ゆっくり歩いていった。
教室に入って
自分の机の中からノートを見つけると
あの人の机の上に置いてある
"何か"に目がいった。
ちゃんと帰る用意がしてある鞄と
シャーペンに、意味不明の
キャラクターの絵が描いてある
今私が持ってるのより
一回り位小さいノート。
「なんだろう?」
誰もいない事をいいことに手に取ってしまった。
そこに書いてある無数の文字....
目が 手が 足が 固まった。
「苦しい。私なんて
いなくたって誰も困らない。
死んだらどうなるんだろう?
泣いてくれる人は何人いるかな?
私は何処にいるの?
死にたい。」
彼女がここまで
追い詰められているとは......
知らなかった。
死にたいなんて・・・。
「だめ・・・!!」
静かな空間を破るような
その声にびっくりして
彼女のノートを落としてしまった。
不覚な事に
彼女が近づいている音に
気がつかなかった。
彼女は落ちたノートをすぐ拾って
その場に座り込んで.....
少し震えていた。
「・・・死ぬなんて・・・
駄目だよ・・・」
声が震える・・・。
他にいい言葉が見つからず
そうを言うのが精一杯だった。
そして
まだ微かに震える彼女に
手をさし伸ばした。
私と彼女は手をつなぐ。
起き上がった彼女に
私はこう言って教室を後にする。
「勝手に見てごめんね。
誰にも言わない、内緒にする。」
帰り道。
やっと分かった。
今日見た夢の声は・・・・
私自身だった。
























